大念仏狂言!壬生寺・千本ゑんま堂・嵯峨釈迦堂・神泉苑

2021-09-17

日本人ならやっぱり、伝統芸能!

お着物で伝統芸能へおでかけ、やまとなでしこって感じがしませんか?

でも、ちょっと伝統芸能って敷居が高い?

そんなことはありません!

この記事では、動きにユーモラスも溢れる、子どもから大人まで楽しめる「念仏狂言」について紹介します。

 

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目次

大念仏狂言(だいねんぶつきょうげん)とは

平安時代から鎌倉期にルーツをもつ「念仏狂言」

「念仏狂言」は、平安時代末期に天台宗の僧侶である聖応大師良忍(りょうにん)が始めた「融通念仏の教え」を広めるために作られました。

「融通念仏の教え」とは、「一人の念仏が万人の念仏に通じる」という自他の念仏が相即融合する立場から、念仏を唱えることで浄土に生まれるという教えです。

京都の「念仏狂言」

京都で「念仏狂言」といえば、壬生寺(みぶでら)、千本ゑんま堂(引接寺、いんじょうじ)、嵯峨釈迦堂(清涼寺、せいりょうじ)、神泉苑(しんせんえん)に伝わる「大念仏狂言」のことをさします。

お寺の場所を【大念仏狂言マップ】でみてみましょう。

 

【大念仏狂言マップ】

大念仏狂言マップ

マップ① 壬生寺(みぶでら)

マップ② 嵯峨釈迦堂(清涼寺、せいりょうじ)

マップ③ 千本ゑんま堂(引接寺、いんじょうじ)

マップ④ 神泉苑(しんせんえん)

 

それでは次に、それぞれの特徴や公演スケジュールを紹介しましょう。

 

壬生大念仏狂言~壬生寺(みぶてら)

壬生狂言は、融通念仏の中興者である円覺(えんかく)が、群衆を前に法会「大念仏会」を開いた際、後ろの者にもわかるよう、声ではなく身振り手振りで仏の教えを説いたのが始まりとされる無言劇です。

円覺が始めた無言劇は、良忍の融通念仏と地蔵信仰を結びつけたもので、この狂言を始めたことから、壬生寺の地蔵信仰が盛んになったそうです。

壬生狂言は江戸時代に入ると庶民大衆の娯楽としても発展し、本来の宗教劇のみならず、能や狂言、物語などから色々と新しく取材され、現在では、30ほどの演目が上演されています。

娯楽的な演目の中にも、勧善懲悪・因果応報の理を教える宗教劇としての性格を残しています。

壬生狂言は、正式には「壬生大念佛狂言」といい、「壬生さんのカンデンデン」という愛称で親しまれてきました。

これは、一般の能狂言とは異なり、太鼓・笛のお囃子に合わせ、全ての演者が仮面をつけ、せりふを用いず無言で演じられたことによります。

壬生村に住む人々によって伝承されてきたもので、現在も地元、壬生寺近辺に住む方々の「壬生大念仏講」によって伝承されています。

寺に奉納された素焼きの炮烙(ほうらく)を舞台の端に積み上げ、一気に地面に落とす演目「炮烙割り」は見ものです。

公演予定と料金、壬生寺へのアクセス

節分会公演:2月の節分の前日と当日(2日と3日) 13時~20時

春公演:4月29日~5月5日 13時~18時、5月5日は夜の部あり 18時~22時

秋公演:体育の日を含む3連休(2019年は、10月12日、13日、14日) 13時~18時

料金:大人1,000円 中学・高校生500円 節分会は無料

地図:

交通アクセス:

阪急「大宮」下車、徒歩10分

嵐電(京福電鉄)「四条大宮」下車、徒歩10分

 

 

嵯峨大念仏狂言~清涼寺(せいりょうじ、嵯峨釈迦堂)

嵯峨釈迦堂

嵯峨大念仏狂言は、京都で円覺が伝えたという「三大念仏狂言」(壬生・嵯峨・千本)のうちの一つです。

壬生狂言と同じように仮面をつけた演者が、お囃子に合わせ無言で演じる狂言で、演目は24ほどです。

それぞれの演目は、カタモン(派手なたちまわりや勧善懲悪をテーマとした演目)とヤワラカモン(コミカルな要素を持った演目)に大別され、公演では交互に演じられます。

狂言堂が高い位置にあるので見やすいです。

公演予定と料金、清涼寺へのアクセス

お松明公演(3月):2019年3月15日 15時、16時半、18時

春公演(4月):2019年4月7日、13日、14日(予定) 13時半

秋公演(10月):2019年10月20日か27日(予定)

料金:無料

地図:

交通アクセス:

嵐電(京福電鉄)「嵐山」下車、徒歩15分

市バス・京都バス「嵯峨釈迦堂前」下車、徒歩1分

 

 

千本ゑんま堂大念仏狂言~引接寺(いんじょうじ、千本ゑんま堂)

壬生、嵯峨と並んで京の三大念仏狂言の一つです。

他の二つが無限であるのに対して、千本ゑんま堂狂言はセリフがあります。

「ゑんまどうの 狂言は だーれが先 はーじめた、 でっかい坊主が はーじめた」

と、わらべ唄にも紹介され、今日まで唄い継がれています。

2月公演は節分の夜に本堂内で、5月公演は屋外に舞台が設置されます。

「えんま庁」などの伝統演目に加え、新作「与平狐」も楽しい。

公演予定と料金、引接寺へのアクセス

2月公演:2019年2月2日 19時

5月公演:2019年5月1日~4日 1日と2日は19時、3日と4日は13時、18時

料金:無料

地図:

交通アクセス:市バス「乾隆校前」下車、徒歩3分

 

 

神泉苑狂言~神泉苑(しんせんえん)

神泉苑

神泉苑狂言は、壬生狂言の流れを汲む無言劇です。

壬生狂言と三条台若中からの奉仕出演と、神泉苑住職および総代役員からなる「神泉苑大念仏狂言講社」が結成され神泉苑大念仏狂言は始められました。

京都の着物作家との繋がりが深く、2005年より女性用の衣装が「染・四君子工房」代表の三浦恭示氏から奉納されています。

毎年11月の第一金曜から3日間、池の東隣の狂言堂で催されます。

「土蜘蛛」は人気の演目です。

公演予定と料金、神泉苑へのアクセス

毎年11月の第一金曜から3日間

2019年11月1日(金) 18時半

2019年11月2日(土)、3日(日) 13時~17時半、18時半~21時半

料金:無料

地図:

交通アクセス:

地下鉄東西線「二条城前」下車、徒歩2分

阪急「四条大宮」下車、徒歩10分

JR「二条」下車、徒歩10分

 

 

春や秋の公演は、お着物でおでかけしやすい気候です。

元々は、大衆の前で身振り手振りのジェスチャーで始まった念仏狂言、お気楽にお着物で見物に出かけてみてはいかがでしょう。

 

それでは、最後まで読んでいただきありがとうございます。

おおきに!

 

※記事内の日程や時間は変更される場合もあるので、必ず事前にご確認ください。

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雑記

Posted by tomo