京都観光2月3月おすすめ!涅槃図・猫入りの東福寺など公開情報
皆さんは、バンコク(タイ)のワット・ポーの、巨大な金ピカの横たわって寝ている仏様を見たことがありますか?
京都の記事でいきなり、タイの話し、???な感じですが、京都もタイも寺院が多くあるところ。
タイでよく見る、横たわって寝ている仏様(涅槃)を京都の寺院でも見られないのか調べてみました。
お釈迦さまの像には、大別して、立像(立つ)・坐像(座る)・涅槃像(寝る)の3種類があり、日本の寺院でみる釈迦像では、立像と坐像が多いかと思いますが、涅槃を絵画(涅槃図)で見ることができます。
「涅槃図」は、入滅されるお釈迦さまの姿を描いた素晴らしい絵画で、寺院にとって、普段は公開しない大切な宝物です。
京都では、2月から3月にかけて、お釈迦様の命日法要の涅槃会が行われ、その際に日本最大級や動物の数が最多など、さまざまな魅力を秘めた涅槃図を見ることができます。
「涅槃(ねはん)」とは
「涅槃(ねはん)」とは、仏教用語で、苦しみから解き放たれた安らぎの「悟りの境地」を意味し、「死」そのものも「涅槃」とされ、仏教を開いたお釈迦様の死を「涅槃」と表します。
涅槃図の説明と京都の寺院で公開される涅槃図
(引用元:http://www.ikkyuji.org/)
「涅槃図」とは
「涅槃図」とは、お釈迦さまの命日にお寺の堂内に掲げられる絵図のことです。
一般的な涅槃図は、お釈迦さまが横になった寝床の四隅に沙羅双樹(さらそうじゅ)が描かれ、白い花を咲かせてお釈迦様の亡骸を飾り、木は悲しみのあまり枯れ果てた姿です。
お釈迦さまの命日は3月15日(旧暦2月15日)とされていることから、絵の上部には満月(十五夜)が描かれています。
お釈迦さまの涅槃を悲しみ、多くの動物たちが集まっています。
虎やゾウなど日本には棲息しない動物、空想の動物、池があって、魚や水鳥も描かれているのですが、猫は描かないのが習わしです。
これは、ねずみが釈迦の遣いとされていることに由来して、天敵である猫は描かないとされていますが、絵師や依頼主の意図で、猫が描かれている涅槃図もいくつかあります。
お釈迦さまの御命日に、特別に公開される「涅槃図」
ぜひ、拝ませていただきたいものです。
京都の涅槃図公開情報をまとめました。
高台寺
2月1日~2月28日
南北朝時代に描かれた「八相涅槃図」を公開。
誕生から涅槃までの釈迦の生涯が描かれています。
【住所】京都市東山区下河原町526
【交通アクセス】
- 京阪「祇園四条」下車、徒歩10分
- 阪急「河原町」下車、徒歩15分
- 市バス「東山安井」下車、徒歩5分
【Webサイト】https://www.kodaiji.com/index.html
清水寺
2月15日
経堂(重要文化財)に、江戸時代の狩野派の絵師・山口雪渓により描かれた「大涅槃図」が掲げられます。
2月15日の9時から経堂にて「涅槃会」の法要、その後数日間、一般公開されます。
【住所】京都市東山区清水一丁目294
【交通アクセス】
- JR「京都」から市バス(206・100系統)「五条坂」下車、徒歩10分
- 阪急「河原町」、京阪「祇園四条」から市バス(207系統)「清水道」下車、徒歩10分
- 京阪「清水五条」から徒歩25分
【Webサイト】https://www.kiyomizudera.or.jp/
真如堂
3月1日~3月31日
3月の1ヶ月間、本堂にて「涅槃図」を公開、「涅槃会」の法要は3月15日に行われます。
真如堂の涅槃図に描かれている動物は、なんと、日本最多の127種類。
縦6.2m、横4.5m、見どころあふれる涅槃図です。
餅を焼いて黒砂糖を絡めた無病息災の「花供曽」あられが授与されることでも有名です。
【住所】京都市左京区浄土寺真如万智82
【交通アクセス】
- JR「京都」から市バス(5・7・100系統)「錦林車庫」または「真如堂前」から徒歩8分
- 阪急「河原町」から市バス(5・17系統)「錦林車庫」または「真如堂前」から徒歩8分
- 京阪「三条」から市バス(5系統)「錦林車庫」または「真如堂前」から徒歩8分
- 京阪「出町柳」から市バス(17・203・102系統)「錦林車庫」または「真如堂前」から徒歩8分
泉涌寺(御寺)
3月14日~16日
天皇家の菩提寺でもある泉涌寺の涅槃図は、もとは奈良・東大寺の大仏殿に掲げるために描かれたとあって、縦16m、横8mという日本最大の涅槃図です。
あまりの大きさから、泉涌寺の仏殿の壁に掛からず、堂内の天井から地面にかけてコの字型に折り曲げて公開されるという、大迫力の涅槃図です。
【住所】京都市東山区泉涌寺山内町27
【交通アクセス】
- JR「京都」から市バス(208系統)「泉涌寺道」下車、徒歩15分
- JR「東福寺」下車、徒歩20分
- 京阪「七条」から市バス(208系統)「泉涌寺道」下車、徒歩15分
- 京阪「祇園四条」から市バス(207系統)「泉涌寺道」下車、徒歩15分
- 京阪「東福寺」下車、徒歩20分
- 阪急「河原町」から市バス(207系統)「泉涌寺道」下車、徒歩15分
【Webサイト】http://www.mitera.org/
東福寺
3月14日~16日
京都三大涅槃図の1つで、珍しく猫が描かれ、魔よけの猫の縁起が伝わっています。
縦12m、横6mの大きさを誇り、本来は描かない習わしの動物「猫」が描かれていることから「猫入り涅槃図」とも呼ばれています。
室町時代、画家の明兆(みんちょう)が涅槃図を描いていると、一匹の猫がどこからともなく現れて絵具を運んで見事な絵が完成したことから、そのお礼として猫の姿を描いたものといわれています。
大涅槃図公開期間中は、国宝の三門や龍吟庵の特別公開もあります。
期間中は「花供御」を販売するほか、東福寺未生流による献花展、呈茶、尺八献笛、甘酒の接待も。
【住所】京都市東山区本町15-778
【交通アクセス】京阪「東福寺」またはJR「東福寺」下車、徒歩10分
【Webサイト】http://www.tofukuji.jp/
本法寺
3月26日~4月21日
京都三大涅槃図の1つ「佛涅槃図」(重要文化財)が公開されます。
こちらも、縦10m、横6mという大きな涅槃図です。
安土桃山時代に活躍した絵師・長谷川等伯が描いたものです。
下の方には、外国産の毛並みが美しいコリー犬が描かれており、大坂・堺の港町で南蛮人が連れて歩くコリー犬を等伯が見て、その姿を涅槃図に描いたのではないかといわれる興味深い歴史を秘めています。
あわせて寺宝も公開されます。
【住所】京都市上京区小川通寺ノ内上る本法寺前町617
【交通アクセス】
- 地下鉄烏丸線「鞍馬口」下車、徒歩15分
- 市バス(9・12・67系統)「天神公園前」下車、徒歩2分
- 市バス(9・12・67系統)「堀川寺ノ地」下車、徒歩3分
【Webサイト】https://eishouzan.honpouji.nichiren-shu.jp/index.htm
西寿寺
3月の彼岸中の1週間
「丈六の弥陀」で知られる鳴滝の西寿寺では、江戸前期に奉納されたという「大涅槃図が」公開されます。要予約
【住所】京都市右京区鳴滝泉谷町16
【交通アクセス】
- JR「京都」から市バス(26系統)「福王子」下車、徒歩7分
- 京阪「三条」から市バス(10・59系統)「福王子」下車、徒歩7分
【Webサイト】http://saijuji.jp/index.html
一休寺(酬恩庵)
3月15日
「とんちの一休さん」でおなじみの一休禅師ゆかりのお寺です。
南北朝時代、室町時代初期、江戸時代後期の三幅の涅槃図が公開されます。
江戸時代のものは、原在中(はらざいちゅう)の筆。
【住所】京都府京田辺市薪里ノ内102
【交通アクセス】
- JR「京田辺」下車、徒歩20分
- 近鉄「新田辺」下車、徒歩25分
- JR「京都」から京阪バス「一休寺」下車、徒歩5分
【Webサイト】http://www.ikkyuji.org/
ぜひ、早春の京都をお着物で歩きながら、巨大な、個性的な、歴史を秘めた涅槃図を仰ぎ見てお釈迦さまを偲んではいかがでしょう。
※記事内の日程は2019年の予定です。また、修復作業などでご覧いただけない場合もありますので、事前にご確認ください。
それでは、最後まで読んでいただきありがとうございます。
おおきに!
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません