姑息な手段は卑怯?本当の意味や誤用・語源や使い方と例文や類語
姑息な手段だ!
どんな手段だと思いますか?
多分、「卑怯な」という悪い意味が思い浮かんだのではないでしょうか。
しかし、本来、「姑息」は「卑怯」という意味ではありません。
この記事では、「姑息」の語源から本来の意味、間違った意味、誤解されないようにほかの類語の言い換えをまとめました。
「姑息」の語源と意味
「姑息」の語源
「姑息(こそく)」を、「姑(こ)」と「息(そく)」に分解してみましょう。
「姑(こ)」は、「しばらく」、「一時しのぎ」、「間に合わせ」という意味です。
「息(そく)」は、「休む」という意味です。「休息」という使われ方があります。
「姑息」の意味
「姑息(こそく)」には、「しばらくの間、息をついて休むこと」が転じて、「一時のまにあわせに物事をすること、その場しのぎ」という意味があります。
「姑息」の使い方と例文
「姑息」の使い方
「姑息」の品詞は、名詞、形容動詞ですので、
姑息、姑息だ
というように使われます。
親切、親切だ
と言うのと同じです。
「姑息」の例文
また、「姑息な○○」という使い方で、次の例文のように用いることができます。
- お酒が苦手な彼女は仮病という姑息な手段で誘いを断っている
- 彼は一夜漬けの姑息な勉強のやり方でも常に成績上位だ
「姑息」の間違いや誤用
しかし、実際に
姑息、姑息だ、姑息な手段、姑息なやり方
なんて言われると、気分を害しませんか?
近年、「姑息」は、「その場しのぎ」という意味よりも、「卑怯」の意味に使われることが多くなっています。
文化庁が発表した平成22年度「国語に関する世論調査」では、「姑息な手段」を、「その場しのぎ」の意味で使う人が15.0パーセント、「卑怯な」の意味で使う人が70.9パーセントという結果が出ています。
「姑息な手段」は「卑怯な手段」ではない
姑息の本来の意味は、「その場しのぎ」です。
相手のやり方を卑怯だと思ったときに、
それは、姑息な手段だ!
と言うのは誤用です。
「姑息」の類語や言い換え
「姑息」の本来の意味を知らずに誤用している人が多い現代、
そのやり方は、姑息ですね
と言うと、言われた相手は、「卑怯」と非難されたと受け取り、怒り出すかもしれません。
なので、ほかの類語を使ったほうがいいですね。
「姑息」の本来の意味である「その場しのぎ」や、
「一時的」、「当面」、「とりあえず」
といったあたりで言い換えた方がいいです。
姑息な策だが、緊急事態だ!仕方がない!
言い換えて、
一時的な策だが、緊急事態だ!仕方がない!
「その場しのぎのやり方、方法、対策」は決して悪いことではありません。
根本的な解決策ではないが、とりあえず、今、策を講じなければならない、といった状況によっては必要とされることなのですが、良くない場面で使われることが多いからなのでしょうか・・・いつのまにか、「卑怯」と思われることが多くなりましたね。
「姑息」という言葉、本当の意味は悪くないのに、あまりいいイメージがなく、なんだかちょっと可哀想になる言葉です。
そして、「姑(しゅうとめ)」という漢字に、「しばらく」という意味もあるのが、不思議な感じの漢字です。
それでは、最後まで読んでいただきありがとうございます。
おおきに!
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