姑息な手段は卑怯?本当の意味や誤用・語源や使い方と例文や類語

2021-09-17

姑息な手段だ!

 

どんな手段だと思いますか?

多分、「卑怯な」という悪い意味が思い浮かんだのではないでしょうか。

しかし、本来、「姑息」は「卑怯」という意味ではありません。

この記事では、「姑息」の語源から本来の意味、間違った意味、誤解されないようにほかの類語の言い換えをまとめました。

 

目次

「姑息」の語源と意味

辞書と猫

「姑息」の語源

姑息(こそく)」を、「姑(こ)」と「息(そく)」に分解してみましょう。

姑(こ)」は、「しばらく」、「一時しのぎ」、「間に合わせ」という意味です。

息(そく)」は、「休む」という意味です。「休息」という使われ方があります。

「姑息」の意味

姑息(こそく)」には、「しばらくの間、息をついて休むこと」が転じて、「一時のまにあわせに物事をすること、その場しのぎ」という意味があります。

 

「姑息」の使い方と例文

「姑息」の使い方

「姑息」の品詞は、名詞、形容動詞ですので、

姑息姑息だ

というように使われます。

親切、親切だ

と言うのと同じです。

「姑息」の例文

また、「姑息な○○」という使い方で、次の例文のように用いることができます。

  • お酒が苦手な彼女は仮病という姑息な手段で誘いを断っている
  • 彼は一夜漬けの姑息な勉強のやり方でも常に成績上位だ

 

「姑息」の間違いや誤用

Hirameki

しかし、実際に

姑息、姑息だ、姑息な手段、姑息なやり方

なんて言われると、気分を害しませんか?

 

近年、「姑息」は、「その場しのぎ」という意味よりも、「卑怯」の意味に使われることが多くなっています。

文化庁が発表した平成22年度「国語に関する世論調査」では、「姑息な手段」を、「その場しのぎ」の意味で使う人が15.0パーセント、「卑怯な」の意味で使う人が70.9パーセントという結果が出ています。

 

「姑息な手段」は「卑怯な手段」ではない

姑息の本来の意味は、「その場しのぎ」です。

相手のやり方を卑怯だと思ったときに、

 

それは、姑息な手段だ!

 

と言うのは誤用です。

 

「姑息」の類語や言い換え

「姑息」の本来の意味を知らずに誤用している人が多い現代、

 

そのやり方は、姑息ですね

 

と言うと、言われた相手は、「卑怯」と非難されたと受け取り、怒り出すかもしれません。

なので、ほかの類語を使ったほうがいいですね。

 

「姑息」の本来の意味である「その場しのぎ」や、

「一時的」、「当面」、「とりあえず」

といったあたりで言い換えた方がいいです。

 

姑息な策だが、緊急事態だ!仕方がない!

言い換えて、

一時的な策だが、緊急事態だ!仕方がない!

 

「その場しのぎのやり方、方法、対策」は決して悪いことではありません。

根本的な解決策ではないが、とりあえず、今、策を講じなければならない、といった状況によっては必要とされることなのですが、良くない場面で使われることが多いからなのでしょうか・・・いつのまにか、「卑怯」と思われることが多くなりましたね。

「姑息」という言葉、本当の意味は悪くないのに、あまりいいイメージがなく、なんだかちょっと可哀想になる言葉です。

そして、「姑(しゅうとめ)」という漢字に、「しばらく」という意味もあるのが、不思議な感じの漢字です。

 

それでは、最後まで読んでいただきありがとうございます。

おおきに!

雑記

Posted by tomo