とんでもないですは敬語?語源と意味や使い方と言い換え

「とんでもないです」

みなさんはこの日本語、どんな場面で使われますか?

 

例えば、成績優秀な営業マンBくんとその上司Aさんの会話です。

 

Aさん:Bくん、今月も君が売上トップだよ。君は本当に優秀な営業マンだ!素晴らしい!

Bくん:いえいえ、とんでもないです。

 

さて、Bくんは、上司のAさんに対して正しい敬語で返事できているのでしょうか。

 

今回は、

よく使う言い方だけれども、意外と使い方を迷う「とんでもないです」についてです。

 

目次

形容詞「とんでもない」+丁寧語「です」

「とんでもないです」は、

形容詞の「とんでもない」に

丁寧語の「です」をつけているので、

敬語です。

 

ただし、

冒頭のBくんが正しい使い方をしているのかどうかは、「100%正解ではない」です。

 

「100%正解ではない」

とはどういうことなのか、

「とんでもないです」の説明の前に、

まずは、

「とんでもない」の語源と本来の意味をみてみましょう。

 

「とんでもない」の語源と本来の意味

「とんでもない」の語源は、

 

「途でもない」

 

です。「とでもない」と読みます。

 

「途」には「道」の意味があり、

「途」を「でもない」と否定して、

「途でもない」は

 

「道理を外れてひどいことだ」

「思ってもみないことだ」

 

というのが、「とんでもない」の本来の意味です。

読み方の「とでもない」の音が変化して「とんでもない」になりました。

 

そして現在、

「途でもない」を語源とする「とんでもない」には、3つの意味があります。

3つの意味と使い方をみてみましょう。

 

「とんでもない」3つの意味

全く思いがけない、常識では考えられない、意外だ、とほうもない

この意味での使い方は次の通りです。

 

海上都市とはとんでもない計画だ。

とんでもない時間に訪問して恐縮です。

 

(非難する気持ちをこめて)たいへんなことだ、けしからん

この意味での使い方は次の通りです。

 

全くとんでもないことをしでかしてくれた。

とんでもない濡れ衣だ。

 

相手の言うことを強く否定する語

この意味での使い方は次の通りです。

 

話し相手が「景気が良さそうだな」

というのを受けて、

とんでもない、赤字で困っている。

 

「強く否定する」が「謙遜して打ち消す」表現として広まった

上述の3つの意味のうち、3番目の

「相手の言うことを強く否定する語」が、

「相手の言うことを謙遜して打ち消す語」

として広く使われるようになりました。

冒頭のBくんの「とんでもないです」がそうです。

上司Aさんの褒め言葉を、「そんなことないですよ」と謙遜しているのですね。

 

ここでもう一度、

「とんでもない」を語源の「途でもない」まで戻ってみると、「道理を外れてひどいことだ」という本来の意味があるので、上司Aさんの褒め言葉を、「ひどいことだ」と返事するのは「ひどい」ですよね。

 

しかし、

Bくんのように謙遜する使い方も広く普及してきていますので、この使い方はダメだ、とも言い切れません。

前述に「100%正解ではない」としたのはこのためです。

 

こういうところが、言葉とは生き物であり、時代と共に意味や使い方が変わってくる、難しいものであり面白いものであると思います。

 

「とんでもないです」の言い換え表現

相手の言うことを謙遜して打ち消す使い方が普通になったとはいえ、元々は強い否定の意味を含む日本語です。

意味をちゃんと理解している人を相手に、「とんでもないです」と言うと、謙遜して敬語で応えているつもりが、誤解されてしまう可能性もあります。

ですから、冒頭のBくんですが、次のような言い換え表現をするといいですね。

 

  • お褒めの言葉をいただきありがとうございます。

 

相手の言うことを謙遜して打ち消す言い方は、他にもあります。

ビジネスの相手や目上の人にも使える表現ですので、迷った時には使ってみてください。

 

  • お気遣いありがとうございます。
  • 過分のお褒めをいただき、光栄に存じます。
  • 身に余るお褒めの言葉をいただき、恐縮に存じます。

 

そもそも、褒めてもらっているのだから、謙遜したり打ち消したりせず、ありがとうございます、と喜べばいいのに・・・

褒められるよりも、全くとんでもないことをしでかしてくれた!と怒られることのほうが多いワタクシ、そう思うのでした。

日本語

Posted by tomo